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あびこのFP

2020年のふるさと納税はどうなる?

2020年11月13日

毎年、この時期になると、お客さんから「私の所得で負担額2,000円でどのくらいふるさと納税出来るのか?」という質問が来ます。

2020年は所得税の改正があり、計算がややこしくなるのでふるさとチョイスのホームページの限度額計算を使っています。

私自身も、ふるさと納税はこの「ふるさとチョイス」から行っています。
研修資料のために、事務所のメンバーにどのサイトを使っているか聞いたところ、「ふるさとチョイス」「さとふる」は半々ですね。

あと楽天という選択もありました。

 

「ふるさとチョイス」で登録しておくと、過去にどこに寄付をしたかという記録が残ります。前年の寄付先を参考にして行っています。確かに、ふるさととは関係ないところに寄付はしますが、何かしら意識はしています。

 


このふるさとチョイスですが、テレビの「カンブリア宮殿」で特集を組まれていて、そうなんだと思ったことがありました。

 

 


もうひとつが「楽天ふるさと納税」

ふるさと納税

 

「ふるさと納税」を利用した寄付金額が7年ぶりに減少しました。ふるさと納税制度に何が起きたのか?

総務省発表データより 2021年9月データより

2020年度のふるさと納税による寄付額は、6,725億円
2019年度のふるさと納税による寄付額は、4,875億円
2018年度のふるさと納税による寄付額は、5,127億円
2017年度のふるさと納税による寄付額は、3,653億円

参考
2012年度のふるさと納税による寄付額は、104億円

2019年度は、前年度よりも、252億円減少しました。それでも一昨年よりも多いです。去年4月に返戻金を「寄付額の3割以下、地場産品のみ」という規制がスタートしたあおりを受けた結果ですね。

 

令和元年6月1日からふるさと納税に係る指定制度が施行されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総務省は、平成29年4月から返戻金を3割以下にするように地方公共団体に通知しましたが、なかなかうまくいきませんでした。

平成30年11月1日から平成31年3月31日までの間において、「返戻金3割超」又は「地場産品以外」の返礼品を行ったところが281団体ありました。

その中でも、換金性が高い金券類を追加して募集を行った団体で、平成30年11月から平成31年3月までの間に50億円を上回る額を集めた4団体について寄付金をしてもふるさと納税制度を認めない期間を無期限で(最短でも1年4か月後)設けました。
(令和2年6月30日に泉佐野市が除外取消しを求めて裁判を行っていました。最高裁判所で勝訴したため令和2年7月より指定されました。)

 

指定をしない地方公共団体(当時) 

都道府県 市町村名 平成30年11月から平成31年3月までの寄付金の受入額 そのうち3割超の趣旨に反する返戻金
大阪府 泉佐野市 332億円 332億円
静岡県 小山町 195億円 193億円
和歌山県 高野町 186億円 185億円
佐賀県 みやき町 99億円 89億円

ふるさと納税指定制度における令和元年6月1日以降の指定等について

法律改正後(令和元年6月1日施行)
ふるさと納税の対象となる地方団体を総務大臣が指定 (施行前は、全てのふるさと納税の対象)よって指定を受けない地方団体への寄付金は、ふるさと納税の対象外となります

指定期間を短めにした地方公共団体

ふるさと納税の指定は受けれますが、指定期間が短いもの。
指定制度が始まった年は、問題がない地方公共団体は1年4か月です。

「返戻金3割超」又は「地場産品以外」の返礼品を行って平成30年11月から平成31年3月までに2億円集めた団体43団体については指定期間を4か月、そして1年としています。(手間がかかる作業になっています。)4か月健全な運用を行ったら、1年指定期間を延ばしますよ。こんな感じです。

参考 ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&Aについて (令和2年7月16日)

問14 返礼割合を計算するに当たっての調達に要する費用とは、当該品物の原価、仕入れ値、定価のいずれで計算すれば良いのか。
○ 返礼品等の調達に要する費用の額については、当該返礼品等の原価や定価ではなく、返礼品等の調達のために、「地方団体が現に支出した額」(告示第4条第1号)であって、調達に当たって、消費税法(昭和 63 年法律第 108 号)の規定により課されるべき消費税に相当する金額及び地方税法第二章第三節の規定により課されるべき地方消費税に相当する金額がある場合には、これらの金額を含めること。

実際に、自治体が仕入業者に支払いした金額が3割以下を求めています。

 

令和元年度の寄付金額の上位5自体

都道府県 団体名 受入額
大阪府 泉佐野市 184億9700万円
宮崎県 都城市 106億4500万円
北海道 紋別市 77億3800万円
北海道 白糖町 67億3300万円
北海道 根室市 65億8900万円

泉佐野市は、6月よりふるさと納税の指定から外れましたが、寄付金の受入額は1番です。新聞やネットを使って大々的に募集をしていたのを覚えています。
ネットをみれば、泉佐野市のふるさと納税の案内が出ていました。アマゾンギフトカードをプレゼントするキャンペーンで一気に寄付金が集まったのは、間違いないですね。4月、5月の2カ月間でこれだけの寄付金を受けたので

ふるさと納税で、北海道と宮崎県は強いです。良い返礼品があるからですね。

寄付金をすることは、どこかの市町村に入ってくる税額が少なくなっています。
都道府県別では、東京都
市町村では、横浜市の税収が減っています。

お客さんのふるさと納税をみても、泉佐野市を除いて上記の市へのふるさと納税は多いですね。
応援団

 

 

今後、指定制度になったためここ2,3年の資料を見比べなければなりません。

地方自治体は年度で集計しています。例えば令和1年度は、平成31年4月から令和2年3月までです。
寄付金をする方の集計は、暦年単位です。令和1年は、平成31年1月から令和1年12月までです。

泉佐野市を注目

寄付額は100万円以下、切上計算しています。

 

年度 期間 寄付額 寄付件数 コメント
平成27年度 平成27年4月から平成28年3月 11億5100万円 46,939件
平成28年度 平成28年4月から平成29年3月 34億8400万円 216,651件
平成29年度 平成29年4月から平成30年3月 135億3300万円 862,082件 全国1位の寄付金額
平成30年度 平成30年4月から平成31年3月 497億5300万円 2,502,250件 全国1位の寄付金額
令和1年度 平成31年4月から令和2年3月 184億9700万円 307,630件 令和1年6月から指定制度外れる。実質2か月
令和2年度 令和2年4月から令和3年3月 22億4900万円 167,687件 令和2年7月より指定される
令和3年度 令和3年4月から令和4年3月 注目

 

泉佐野市から他の市町村へ支払ったふるさと納税の寄付金の額は、

年度 期間 泉佐野市からほかの市町村への寄付金額 市町村民税の控除額(6%部分) 人数
令和1年度 平成31年4月から令和2年3月 3憶7,933万円 1億7582万円 4238人
令和2年度 令和2年4月から令和3年3月

期間の再確認が必要。住民税の令和3年度課税におけるふるさと納税に係る寄付金税額控除は、令和2年の確定申告をもとに行っていますので
国と地方の基準が違うのではないか。確認が必要です。

令和1年度は、他の市町村から泉佐野市へ184億9700万円の寄付金がありました。ただ、この寄付金すべてが使える訳ではありません。資料によりますと返礼品等の調達費用が61%で、送料や事務費等をあわせますと71%です。
返戻品を出して、残った寄付金の金額は、72億1383万円です。

泉佐野市の住民が、他の市町村へのふるさと納税の寄付は、3億7,933万円ありました。ふるさと納税は、所得税(国税)から所得控除、住民税から税額控除となっています。住民税といっても算出された税額の6割は市民税、4割は府民税となっています。ここにも書かれていますが、泉佐野市が減少する市税は1億7582万円です。

この寄付金により税額が増える市町村もあれば、減る市町村もあります。

 

今気になっている村があります。それは、指定が取り消された村です。

 

2020年7月3日に、指定が下りなかった大阪府泉佐野市、和歌山県高野町及び佐賀県みやき町のふるさと納税の対象となりました。遅れて、令和2年7月17日に静岡県小山町もふるさと納税の対象となりました。

一方、今年の9月に取り消された町もあります。高知県の奈半利町です。

 

ふるさと納税で、総務省のホームページで寄付金のうちどれくらい返礼品関係に回しているのか?という表があります。
泉佐野市がおおよそ70%(送料等の費用を含めて)

通常の市町村が、返礼品が3割、運送費等が2割で合わせて5割です。

どこが一番、大きな割合かなぁと調べていたら、高知県の奈半利町です。受け入れた寄付金の2倍以上のお金が流れています。
どんな返礼品を出しのかは分かりませんが、令和1年度は、4億1711万円の寄付金がありました。

 

返戻品の調達費用が6億8403万円、返礼品の郵送費用が1億5965万円 ちょっとこれはまずいですね。

その資料が正しいかどうかは、分かりません。ただ言えることは、今停止命令が出されています。
ふるさと納税で、高知県だけがすべての市町村と書かれていなかったのは、そのためです。奈半利町がふるさと納税の指定を取り消されてしまったからです。

ふるさと納税について  2020.07.29

この度、当町は、総務省からふるさと納税の対象となる地方団体の指定の取り消し処分を受けることとなりました。 非常に残念な結果となりましたことにつきまして、一連のふるさと納税の不祥事と合わせまして、町民の皆様及びご寄附を頂いた方々並びに関係者の皆様に、お詫びを申し上げます。

今回の処分の内容につきましては、まず、取り消し期間は、令和2年7月23日から令和4年7月22日までの2年間、取り消し理由は、令和元年10月1日から令和2年3月5日までの間に、返礼割合が3割超又は、地場産品以外の返礼品の基準違反があったためであります。

このことによって、この制度による寄附は最短でも2年間は受付ができなくなりました。また、町内の返礼品取扱業者、生産者の皆さんには、返礼品の取扱業務がなくなることにより返礼品の買取ができなくなります。ただし、令和2年5月17日までに頂きました寄附者の方々に対応するため、一部令和2年度に返礼品発送業務が残ることになります。

また、これまでにふるさと納税制度により頂いた寄附を財源に子育て支援等様々な事業を実施しておりますこれらの事業につきましては、ふるさと応援基金等を有効に活用しながら実施してまいりたいと考えております。

これまでのふるさと納税の取組について、第三者委員会や議会からも様々な課題が指摘されております。これらのことについて議員の皆様と共に協議を重ねながら今後の取組に生かしてまいりたいと考えております。

最後になりますが、この度のことで、町民の皆様及びにご寄附いた方々並びに関係者の皆様に混乱とご心配をおかけし申し訳なく思うとともに町政を預かる者として責任を痛感しているところであります。今後におきましては、説明責任を果たし町民の皆様の行政への信頼回復に向け職員一丸となって全力で取り組んでまいりますので何卒ご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

奈半利町長  竹﨑 和伸

ホームページより抜粋しています。

ニュースやホームページの資料は、一部のみ抜粋されているので自分の頭で何が起きているか考えていかなければなりません。
(時系列、他との比較、制度変更、割合等)

資料は、古いのですが、市町村の中にはふるさと納税の返礼品を問題にしているところもありました。(平成28年6月1日時点)
平成28年ふるさと納税に関する現況調査

 

現在の分かる範囲での推移は

返礼品の納入業者に選ばれる見返りに約8,500万円を渡したとして贈賄罪に問われていた奈半利町の元精肉店経営者の夫婦に対して、高知地裁は令和3年2月3日に、それぞれ懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。

また奈半利町の元課長の二人を令和3年2月8日に収賄罪として二人を懲戒処分をしました。
その二人は、令和2年3月3日に電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑では逮捕されていました。

奈半利町のホームページの住民説明会での議事録にもことの次第が書かれています。

追記(毎年、総務省が発表しているのですが、令和3年9月21日発表 総務省告示第329号で
令和3年10月から令和4年9月までの分も奈半利町はふるさと納税での寄付金控除の対象から外れていました。
控除はないですが、寄付金そのものは出来ます。

 

ふるさと納税をとっても、いろいろ出てきますね。

 

 

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