未支給年金の受け取りの手続き
もし、親や親族が亡くなり、葬儀のあとはどのような行動をしますか?
私の父親が亡くなった時は、葬儀が終わった後の2日間で、おおまかな手続きは母親と一緒に役所等にいって済ませました。我ながら効率的に各役所に回ることが出来たと思いました。
年金は、亡くなった月分までもらうことができます。これらの年金のことを「未支給年金」として、個人と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。母親は、父親と一緒に生活をしていましたので受け取ることが出来ます。
老齢厚生年金・老齢基礎年金は、2か月に1回支給されます。
偶数月の15日に前月分と前々月分が振り込まれます。
2020年10月15日(木)に振り込まれる金額は、8月分、9月分です。保険料を掛けてきた金額によっても違いますが、30万円前後から介護保険等が控除されて振り込まれます。(1か月の老齢厚生年金と老齢基礎年金を15万円ほどで計算しています。)
もし11月8日に亡くなったら、どうなるでしょうか?
本来、生存していた場合、12月15日(火)に振り込みまれすが、亡くなった場合は「未支給の年金請求の届出書」が必要です。
亡くなった月の分も振り込まれますので、10月分、11月分となります。
受取人は、遺族となります。
未支給年金の税金について
だいぶ前の話ですが、相続税の計算をしていたときにこの「未支給年金」は相続税の計算の財産になるか、どうか迷っていましたが、相続財産にはなりません。
このことは国税庁のQ&Aにも記載されています。
一部抜粋
国民年金法に基づく未支給年金請求権の相続性については、最高裁判決(平成7年11月7日)において、その相続性を否定しています。
すなわち、国民年金法第19条の規定については、同条が未支給年金の支給請求することのできる者の範囲及び順位について民法の規定する相続人の範囲及び順位決定の原則とは異なった定め方をしており、これは民法の相続とは別の被保険者の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とした立場から未支給の年金給付の支給を一定の遺族に対して認めたものと解されているものです。
したがって、未支給年金請求権を本来の相続財産として相続税の課税対象となると解することはできません。
そう、ただし受給した方は、一時所得になります。その年において50万円を超えるような場合は注意が必要です。
平成7年といえば、ウィンドウズ95が出た年です。また阪神大震災があった年でもあります。情報は本か雑誌でしか得ることが出来ない時代でした。
携帯電話も平成7年ぐらいから普通の方も持てるようになり、ポケベルから携帯に変わっていく時代でした。
ちなみに私は平成8年2月頃に携帯を持ち始めました。「関西デジタルフォン」から始まりました。
相続を放棄しても、受け取ることができます。
この未支給年金は、相続を放棄しても受け取る権利があります。生命保険も同じように相続放棄しても受け取ることが出来ます。
相続の話で、「もらうことを放棄したので関係ない」というお客さんがいますが、しっかり話の内容を確認しないとなりません。
なかなか、一般の方は理解できませんが、相続放棄は、家庭裁判所で認められます。亡くなったことを知った日から3か月以内に申請する。
もし、ただ単に亡くなった方の相続財産をもらわなかった場合には、遺産分割協議書には署名押印が必要になってきます。もし、借金の方が多くて取り立てがあった場合、相続人のために債務も引き継ぎます。事前に財産や債務を確認する必要があります。
さて、この未支給年金を受け取れる遺族の優先順位はこのようになっています。
年金を受けていた方が、亡くなった当時、その方と生計を同じくしていた方です。
- 配偶者
- 子
- 父母
- 孫
ここまで覚えておけば大丈夫でしょう。
年金事務所に行けば、この請求だけではなく、遺族年金の手続きもすることになるでしょう。母親のときも手続きをしましたが、ちょっと違和感がありました。覚えていた遺族年金のもらい方が、(65歳以上の場合)
- 自分の老齢基礎年金+亡くなった方の遺族厚生年金
- 自分の老齢基礎年金+自分の老齢厚生年金
- 自分の老齢基礎年金+亡くなった方の遺族厚生年金☓2/3+自分の老齢厚生年金☓1/2
遺族厚生年金は、老齢厚生年金☓3/4です。
この式で覚えていたので、社会保険事務所が提出した数字と違っていましたが、一番高額な方法を選択しました。
調べてみると2007年4月以降から仕組みが変わりました。
母親は一時期、正社員として働いていた時期があったので、計算式がちがっていました。
自分の老齢基礎年金+亡くなった方の遺族厚生年金>自分の老齢基礎年金+自分の老齢厚生年金 の場合
自分の老齢厚生年金は全額支給され、差額分が支給されるようになりました。(差額分が遺族厚生年金)となります。
遺族年金は、非課税です。老齢年金は課税の対象となります。
遺族年金をもらっている方は、年金の源泉徴収票に含まれていないので注意が必要です。そこに書かれている金額は総額ではありません。
土地・建物の登記が義務化になりました。令和6年4月1日から
令和6年4月1日から土地、建物の登記が義務化になりました。
法務局でのHPで掲載されています。
遺産分割をしたら、その流れで一気に土地、建物の名義変更もしていきましょう。