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あびこのFP

不動産の資産運用はどのように考えるか?

2020年9月21日

資産活用

 

不動産のニュースでは「かぼちゃの馬車」のシェアハウスのサブリース問題、レオパレスの施工不良の問題が話題になっています。
外壁に耐火性能が低いものが使用されていたり、屋根裏の防火壁が設置されていなかったりしています。

レオパレスは家具付きの賃貸住宅で、単身赴任や大学生の宿舎、短期の現場の宿泊所として多く利用されていましたが、以前から「防音性が低い」などと言われていました。

資産活用として、昔から、賃貸経営をという方法があります。

資産活用とは、資産に付加価値を付けて収益を得ることです。多くの場合、未利用の土地の活用として賃貸物件を建て収入を得ることになります。また、空家を安く取得して、それを賃貸することも資産活用になります。

 

資産活用の利点

①投資 

低金利時代の為、より確実で利回りの良いものへの投資です。通常6%以上の利回りを目標としています。

借入金をもって購入するかによっても違ってきますが、資金繰りを考えて行われなければなりません。
個人でしたら、所得税、住民税、管理費、修繕費、維持費、固定資産税、退出リスク等考えていかなければなりません。

よく、投資物件の長期間の収支表を見せてもらうのですが、税金関係の漏れが多いです。長期でみればお金は残ってきますが、期中は苦しい状況です。
土地部分に関しては、減価償却が出来ません。例えば教育費の足しにしようと思っていたら、資金繰りの補填をしなければならなくなったということもあります。

新築物件、中古物件、居住用だったら今後10年、20年後のこの場所がどのようになるかを考えなければなりません。

本当に、掘り出し物の物件もあるかも知れませんので、自分の基準を持ちどこまでなら投資をするかを考えながら行いましょう。

②相続税対策

現預金では、その金額が相続税の対象になりますが、不動産活用をすればその評価を下げることが出来るからです。

不動産の相続税評価は、路線価や固定資産税評価額です。これは、時価の8割以下です。これを賃貸すると貸家や貸家建付地となり、更に評価が下がります。貸家の場合、借家権が3割ありますので、貸家の場合は固定資産税評価額の7割になります。

また、貸家が建った土地は貸家建付地となり、借地権割合7割と借家権割合3割を乗じ、路線価等の79%になります。

◆賃貸用土地と建物を各5,000万円、合計1億円で取得した場合

相続税評価は、土地3,950万円 + 建物3,500万円 = 合計7,450万円 となります。

つまり、2,550万円の評価額を下げることになります。

また、賃料が入りますので、現金が増えることになります。

平成の初めに購入した物件は、路線価そのものが下がってしまい、購入した価額の3分の1から2分の1ぐらいまで下がっています。
購入する場合は、今後10年間から20年間どのようになるかを考えてみましょう。またその場所が貸家として最適な場所であるかどうかです。

 

例えば、なんばの繁華街にあるような物件は、貸家建付地にするような土地だと思います。
(新型コロナウイルスでどのくらい下がってくるかは、来年の路線価に反映するのではないでしょうか。)

 

ココがポイント

相続税がおおよそどのくらいの税額になるか計算して、支払うことが出来るのか?キャッシュベースで物事を考えてみましょう。

 

③土地、建物は所有がお得か?

 

自宅を建築するかは、「賃貸」にするのか、それとも「購入」にするのかを比較しないと難しいですね。
購入するのも、中古物件を購入するのか。一軒家それとも分譲マンション、定期借地権契約でその上に物件を建てるのか?
あとは、維持費(共益費、その後の修繕費、固定資産税等)があります。総合的に判断を。

例えば、家を持つことによる満足度は、乗用車もかっこいい車を持つことによる満足度はどうですか?

家を長期に所有している経費に、固定資産税や修繕費がかかります。もちろん、乗用車にも、自動車税、車検費用、修繕費、駐車場代がかかります。
家が古くなってきた場合の大型修繕はそれなりにかかってきます。また子供や自分たちの生活スタイルに合わせてリフォームする可能性も出てきます。

家の所有に関すると、「新築」または「中古」
家そのものを賃貸で過ごすか、保有するか?

自動車も、所有のほか、レンタカー、カーシェアリングもあり、選択することが出来ます。

金利について(購入にあたって)

不動産を購入する場合金融機関からの借入で購入する場合が大半です。

例えば35年ローンの場合、変動金利・固定金利・元利均等払・元金均等払があります。

借入金1,000万円 返済期間20年 金利1.5% 固定金利 の場合

◆元金均等

月返済額は、元金41,667円で当初金利12,500円となり、約10年間で元利均等と支払額が同じになります。月の平均返済額が47,942円となり、約119ヶ月で500万円返済になります。また、利息の合計額は1,506、237円となります。

◆元利均等 

月額返済額は、48,255円となり、約128ヶ月で500万円返済になります。

利息の合計額は1,581,076円となります。

 

融資条件が同条件の場合、元金均等の方が金利負担が軽く済みます。

 

変動金利型の場合は、利率の変動で金利負担が大きく変動します。金利は、短期プライムレート(1.475%)に1%加算したものが変動金利の基準(2.475%)とされています。
これに金融機関が優遇幅(金融機関の方針で上下されます)で1%程度にしているのです。1996年1月の短プラのレートは1.625%で、20年間ほとんど上昇していませんので、変動金利でも過去20年間の金利は固定金利みたいなものでした。

追記 短期プライムレートは日本銀行のホームページに公表されています。

短期・長期プライムレートの推移

 

今後の動向は誰もが予測できませんが、今は金利が最低だと思われます。10年後の金利が今より上がっているかは、日銀の金融政策によるものだと思います。つまり景気が拡大しインフレが進むと金融の引き締めが行われ、市場から金の流通を減らすため金利を上げるようになると思います。但し、消費税の引上げ等により、政策的にすぐには上昇しにくいのではないかと思います。

 

過去の不動産バブルの時は、総量規制により地価が下落しました。しかし、最近は好景気で、都市の地価は上昇していますが、地方の地価は下落しています。それは少子高齢化と人口が都市に集中しているためだと思います。不動産投資は、現状と将来の賃貸の需給関係と金利を考えて安全確実なものにするようにしなければなりません。不動産の価額はその時の景気の状況及び不動産の場所により上下するので短期所有か長期所有するかで所有利得は変わります。

 

不動産投資は、賃貸経営により利得を得ることを基本としますので、賃貸収入の確実性と物件の安全性及び管理の簡素化が第一ではないかと思います。

また、不動産を所有するだけの遊休資産の場合は、それを売却して収益性のある不動産を取得するか若しくは、現金等で所有して保有コストを抑えるのも資産活用と言えるのではないかと思います。

 

 

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